基礎の塗装は必要？塗装をするメリットとデメリット
広島県福山市の外壁塗装、屋根塗装ならイマガワペイントにお任せください。
一級建築士、一級塗装技能士が在籍するイマガワペイントが、今回「基礎の塗装は必要？塗装をするメリットとデメリット」についてご紹介します。
普段なかなか目につかない建物の基礎ですが、塗装がされているものもあります。
外壁や屋根を塗装は一般的に行われていますが、建物の基礎も塗装を行うこともできます。
基礎用の塗料も販売されていますが、基礎を塗装する必要はあるのでしょうか。
建物の基礎の役割とは
基礎は建物の土台となり支えることで、地震などの自然災害などの力に耐える役割があります。
建物は外壁材や屋根材のほか、多くの建材から構成されており大きな重量となります。
基礎は鉄筋コンクリート構造が一般的であり、基礎があることで揺れや外部からの力を上手く吸収し地面に逃がしてくれます。
基礎の種類も幾つかありますが、現在の建物の多くはベタ基礎と呼ばれる、鉄筋コンクリート構造を設け、床スラブに一体するように立ち上がりを設けて作られます。
基礎の劣化症状
外壁や屋根と同様に基礎も劣化していきます。
基礎は経年により様々な劣化症状が出てきますが、「ひび割れ」「剥がれ」「浮き」「サビ」「中性化」がよく見られる症状です。
基礎は固いコンクリートで作られていますので、大きな動きが生じた際には「ひび割れ」が発生します。
ひび割れの発生箇所から雨水が浸入すると更なる劣化を引き起こします。
ひび割れが大きくなると剥がれのように欠けてしまう場合もあります。
ただし、ひび割れや割れの発生が基礎の表面に塗られている化粧モルタルで、基礎自体に損傷が無ければ大きな問題には直結しません。
しかし、モルタル層が無くなると基礎自体にダメージが蓄積されていきますので早めの対処が必要になってきます。
また、基礎のコンクリートの中には鉄筋組まれています。
ひび割れや割れの発生箇所から雨水が浸入すると鉄筋がサビてしまうことがあります。
サビが発生すると、コンクリート内で体積が大きくなりコンクリートを押し出す形で欠損する可能性があります。
基礎がこのような状態にまでなることは少ないですが、茶色のサビ汁が出てきていたりする場合は、対処をしていただくのが理想です。
さらには、コンクリートは強いアルカリの性質があり、それにより強度を発揮できます。
これが酸性雨や排気ガスにより酸性を帯びてくると徐々に中性となっていきます。
そうすると強度の低下に繋がり新たなひび割れや剥がれ、サビの発生に繋がりやすくなります。
建物を支える重要な構造体のため、強度を落とすような損傷は早期に対処して頂く必要があります。
しかし、劣化の症状が基礎自体か化粧モルタルなのか、中性化の進行度などどのくらいかなどはなかなか判断がつきにくいものです。
そのため、外壁や屋根の塗り替えなど外装リフォームを検討されるタイミングで、基礎の状態も一緒に専門家に確認してもらうのがお勧めです。
基礎の塗装は必要？
上記のような劣化症状が発生している場合や、長期に基礎を保護するには塗装をすることで症状を抑制したり解消することができます。
しかし、基礎への塗装は不要だという意見もあります。
基礎は地面と接していることから、地面から水を吸い上げていきます。
通常であれば、水蒸気として蒸発していきますが、塗膜で水の抜け道を塞いでしまいます。
抜け道の無くなった水分は蒸発する際に、押し出すようにして塗膜の膨れや剥がれといった新たな不具合を発生させる要因となります。
このことから基礎に塗装は不向きという考えがあります。
しかし、基礎用の塗料は内側の水分を逃がす「透湿性」の高い塗膜構成となっています。
外壁に使用する塗料では、基礎だと不具合になりますが、基礎用の塗料を使用すれば塗膜の膨れや剥がれの心配は基本的にありません。
また、基礎用の塗料は劣化の抑制の効果だけでなく、「防蟻機能」が付与されている製品もあります。
防蟻成分がゆっくりと吐き出されることで、シロアリを寄せ付けない効果や基礎を這い上がろうとする害虫への対策ともなります。
参考：キクスイ ロイヤルアリガード｜製品情報｜菊水化学工業 (kikusui-chem.co.jp)
基礎の塗装のメリット・デメリット
それでは基礎に塗装をすることでのメリットとデメリットをポイントでまとめて紹介していきます。
基礎を塗装するメリット
・防水性の向上
・中性化を抑制
・美観性の向上
・苔やカビの発生を防ぐ
・シロアリ防止
基礎用の塗料には可とう性（柔軟性）が付与されている場合が多いです。
基礎に動きが生じた際にも追従してくれて塗膜のひび割れの発生を抑制します。
塗膜にひび割れが発生しない限りは、基礎にひび割れが発生していたとしても内側に水分が浸入しないため劣化を抑制できます。
また、表面を塗膜で保護しているため、酸性雨や排気ガスから基礎を守ってくれるため中性化も抑制してくれます。
そして、基礎はコンクリートやモルタルの無機質な仕上がりとなっています。
外壁や屋根の塗り替えをしてキレイに仕上げるのであれば、建物の足元である基礎もキレイに塗装をかけることで見た目も良くなります。
基礎用の塗料によっては色彩に限りがありますが、色味を変えてあげることでまた違った雰囲気を演出することが可能です。
さらには、機能性が付与されている基礎用塗料を選択することで防藻・防カビ効果や防蟻効果をプラスすることが可能です。
藻やカビ、シロアリなどは建物の立地条件によって発生しやすくなるので、塗装するだけで改善されることが期待できます。
基礎を塗装するデメリット
・劣化や損傷に気が付きにくい
・定期的に塗り替えが必要になる
・コストがかかる
基礎を塗装すると基礎自体の劣化や損傷があっても気が付きにくくなるという点が挙げられます。
しかし、塗膜が保護してくれている限りは基礎の劣化が進行しないため、そこまで懸念点にはならないかと思います。
ただし、塗膜は劣化していくものなので、定期的に塗り替えが必要にはなります。
基礎塗装は使用する塗料にもよりますが、およそ10年程度で塗り替えの目安となります。
基礎は直射日光に当たりにくいため、著しく劣化がすることは少ないため表面上の劣化は起こりにくいかもしれませんが、防藻・防カビ、防蟻といった性能は年数とともに落ちていくと考えられます。
外壁や屋根にプラスして基礎を塗装するため、塗り面積が増えて使用する塗料も増えるため、その分コストもかかってしまいます。
しかし、塗る職人の手間としては外壁の塗装の合間だったりと新たに日数をかけずとも工程を組める場合があります。
その場合はそこまで多額のコストなく基礎を塗装することが可能です。
まとめ
今回は基礎の塗装の必要性と、そのメリット・デメリットについて解説しきました。
基礎の塗装は不要という意見もありますが、専用の塗料を用いることで得られる効果も十分にあります。
外壁や屋根の塗り替えをするのであれば、基礎も併せて塗装をする方が圧倒的に見栄えが良くなります。
また、基礎は建物の土台であることから、しっかりと強度が保たせてあげることが建物全体の長寿命化に繋がります。
しかし、基礎に誤った塗料を使用したり対処を間違えたりすると余計な不具合を発生させる要因となってしまいます。
基礎塗装を検討される場合は、知識のある専門業者による建物診断を実施し、適切な塗装を行ってもらえる工事にする必要があります。
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