外壁のひび割れがもたらすリスクと補修方法
ご自宅の外壁を見てみるとひび割れが発生していることに気が付いた方の中には、ひび割れの対処方法に迷われる方も多いかと思います。
外壁のひび割れは建物の寿命に関わる劣化症状の一つですが、ひび割れの種類や幅によって、その緊急性や対処方法も異なります。
広島県福山市の外壁塗装、屋根塗装ならイマガワペイントにお任せください。
一級建築士、一級塗装技能士が在籍するイマガワペイントが、今回「壁のひび割れがもたらすリスクと補修方法」についてご紹介します。
外壁材の種類ごとの対処方法をご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ひび割れの種類
外壁のひび割れは大きく、「ヘアクラック」と「構造クラック」と分けることができます。
一口にひび割れといっても、それが塗膜などの仕上材のみ発生しているものなのか、外壁材そのものから発生しているものかで、その危険性や対処法も変わってきます。
細かく分類するとさらに種類がありますが、ここではこの2種類について解説していきます。
ヘアクラック
ヘアクラックとは、ひび割れの幅が0.3mm以下のものを指します。
「髪の毛」のように微細なひび割れのため、このような表現をします。
基本的にはコンクリート・モルタル造の建物に発生するもので、仕上材の塗装に発生します。
躯体や外壁材自体には損傷がない場合がほとんどで緊急性は低いものです。
しかし、ヘアクラックが広がるとより幅の大きなひび割れに繋がりますので、発生に気付かれた場合は、外壁の塗り替えなどの検討を始めても良い時期になります。
この段階での処理であれば、大がかりな補修工事の必要性はないことがほとんどで、余計な費用がかからず修復が可能です。
構造クラック
建物の構造自体や外壁材からひび割れが発生しているものを「構造クラック」と呼びます。
塗装などの保護材を超えてひび割れが発生しているため、雨水などが浸入してしまう状態です。
建物自体の寿命を早めてしまう原因にもなりますので、構造クラックがある場合は早急に対処を行っていただくことをお勧めします。
ひび割れの発生原因
ひび割れが発生する原因は様々ありますが、どのようにして発生したものなのかによって補修方法も変えていく必要があります。
原因に対して適切でない補修方法を行ってしまうと、再度ひび割れがすぐに発生してしまう場合があります。
ここでは、主に考えられる発生要因をご紹介していきます。
経年劣化によるひび割れ
時間が経過していくと外壁は劣化していきます。
塗装においては、施工初期は柔軟性があるものでも紫外線のダメージを受け、その柔軟性は失われていきます。
固く脆くなって塗膜は少しの揺れや動きに耐えきれずひびが入ってしまいます。
外壁の隙間に充填されているシーリング材も同様の理由でひび割れが発生します。
施工不良によるひび割れ
塗り替えやリフォームをして数カ月も経たない間にひび割れが発生した場合は、施工不良の可能性が高いです。
一般的に塗装工事は下塗り、中塗り、上塗りの3工程行いますが、それぞれの工程間では塗料の乾燥時間を設ける必要があります。
十分な乾燥時間を取らずに次の工程に進むとひび割れが発生する場合があります。
例えば、下塗り、中塗りの乾燥時間が不十分な状態で上塗りを行うと、上塗りに使用した塗料が最も日に当たることもあり先に硬化してしまうことがあります。
下塗り、中塗りに使用した塗料がまだ硬化しきれていないと、柔らかいものの上に固いものを乗せた状態になるため動きが生じた際に割れてしまいます。
また、外壁材と使用する塗料との相性や下塗りと上塗り(中塗り)に使用する塗料との相性が悪いものを使用した場合にもひび割れが発生する場合があります。
組み合わせが適切でない塗料を選択してしまうと、ひび割れだけでなく塗膜の膨れや剥がれといったより深刻な症状が発生する場合があります。
振動によるひび割れ
地震による揺れが原因となり外壁にひび割れが発生することもあります。
地震のような大きな揺れの場合は、表面の塗装だけではなく構造自体にひび割れが発生する場合がありますので、揺れが完全に収まった段階で状態の確認をしてもらうと良いです。
また、大きな道路や線路のそばにご自宅がある場合は、トラックや電車が通過する際の揺れが外壁のひび割れを引き起こす要因になることもあります。
排気ガスや汚れが付着しやすく劣化が早い環境でもあるため、こまめに状態の確認を行うことをお勧めします。
構造上の問題
新築時に基礎などの構造がそもそもずれているなどで建物が傾いており一部分に負担がかかりひび割れが発生している場合があります。
地盤沈下により傾きが生じると同様にひび割れが発生する場合もあります。
建物の一部分だけ大きなひび割れが集中しているなどの場合は、構造の問題の可能性があり塗装などの補修では対応しきれない可能性があります。
ひび割れが引き起こすリスク
それでは、ひび割れがあるとどのような問題が引き起こされるのかを解説していきます。
雨漏り
ひび割れが発生している箇所から雨水が入り浸みこんでいくと室内まで入り込んでいき雨漏りに繋がる可能性あります。
雨漏りしてしまうと、室内の壁や天井が腐食してしまい張り替えの手間も発生してしまいます。
耐久性低下
外壁材自体が水を含んでしまうと耐久性の低下を引き起こします。
コンクリート造であれば、コンクリートの強度が落ち中にある鉄筋にサビが発生して「爆裂」といった外壁材が剥がれてしまう現象に繋がります。
サイディングボードの場合は、水分を含むと反りや割れといった症状を引き起こす可能性があります。
このような状態になると、外壁材を張り替えて交換する必要があるなど、工事費用も高くなってしまいます。
美観の低下
ひび割れが発生すると、建物の性能や機能の低下はもちろんですが見た目の印象も悪くなります。
塗り替えを行うことで劣化して古びたイメージを払拭できます。
外壁材別の補修方法
ひび割れから引き起こされるリスクについては、ご理解いただけたかと思いますが、どのように補修していくかは外壁材の種類によって異なります。
主に一般住宅で使用される外壁材ごとに対処方法をご紹介していきます。
サイディングボード
窯業系サイディングボードは現在もっとも多くの住宅で採用されている外壁材です。
多彩な模様や色合いを再現できて、高性能なものを増えてきており長期に色彩を保つことができます。
サイディングボード自体にひび割れが発生することは少ないですが、地震などの大きな揺れが発生した際や経年劣化で脆くなった際に、ビスの打ち付けてある周辺が割れてしまう場合あります。
この場合は、シーリング材をひび割れ部分に充填することによる簡易的な補修方法がありますが、補修の跡が目立ってしまう場合が多いです。
また、サイディングボードにひび割れが生じることはほとんどなく、発生した際はサイディングボードが脆くなっているため、簡易的な補修では再発やその他の箇所で新たに発生することが想定されます。
そのため、カバー工法や張り替えといった工事をしていただくことをお勧めします。
そして、サイディングボードの場合は、板と板との間にシーリング材が施工されています。
柔軟性の高いシーリング材は板の緩衝材としての役割や防水機能を持ちますが、経年劣化により柔軟性が失われてひび割れが発生する場合があります。
この場合は、シーリング材を打ち換えて新しいものにしていただくことをお勧めします。
シーリング材の増し打ちは工事費用を抑えることができますが、早期にシーリング材の破断に繋がる場合がありますので基本的にはお勧めはしません。
RC(コンクリート・モルタル)
コンクリートの外壁は耐久性が高い構造ではありますが、目地がなくシーリング材を使用しないため地震などの揺れが発生した際に衝撃を吸収しにくいため割れに繋がることがあります。
コンクリートは素地のままだと耐久性の低下が早いため、基本的に塗装などによって保護をしますが、塗膜にヘアクラックが発生したり大きな動きがあった場合には、構造クラックが発生することがあります。
ヘアクラックの場合は、塗り替え工事の際に微弾性フィラーやシーリング材を擦りこみひび割れを充填する簡易的な補修が可能です。
大きなクラックが発生している場合は、ひび割れの周辺箇所を電動工具を用いて溝を作りーリング材で充填する工法で新たなひび割れの発生を抑制するのが一般的です。
ALC
ALCとは「軽量気泡コンクリート」のことで、コンクリートを泡立てて空気を含ませて固めたものと考えてもらうとイメージが付きやすいかと思います。
ALCの内部には気泡穴が沢山空いていて、コンクリートの1/4程度の重量で、建物の負担が少なく済むものです。
空気層が多い分断熱性も高くなるため、高性能な外壁材となります。
コンクリート同様に塗装をすることが一般的で、補修の方法もコンクリートの場合と同様の処理を行います。
表面のヘアクラックが発生する場合は微弾性フィラーやシーリング材の擦りこみよりひび割れを充填させて補修を行います。
構造クラックが発生している場合は、ひび割れ発生箇所の周辺を電動工具を用いて溝を作りシーリング材で充填する工法で新たなひび割れの発生を抑制するのが一般的です。
また、ALCは目地にシーリング材が打たれるため、シーリング材にひび割れが発生している場合には、打ち替えを行う必要があります。
そして、ALCは気泡穴が多い分強度は高くないため、建物の動きが生じた際にはALC事態に割れが発生することがあります。
その場合は、ALC用の軽量モルタルで成形を行うなどの補修を行った上で再塗装を行う必要があります。
磁気タイル
磁気タイルの外壁は価格が高くはありますが、その分高級感を演出できる上に耐久性が高く他の仕上材よりメンテナンスサイクルが長いのが魅力です。
タイルにひび割れが発生することは滅多にありませんが、地震などの大きな揺れが起きた場合に構造クラックとともにタイルもひび割れが発生する可能性があります。
タイルが割れてしまうと、剥がれて落下する危険があります。
重量のあるタイルが落下して人に当たってしまうと大怪我をする可能性が高くなりますので、ひび割れに気付いた際には補修を検討していただくことをお勧めします。
タイルのひび割れ部分は目地に切り込みを入れながら発生箇所のタイルを剥がして、新しいタイルを張り直していきます。
タイルのデザインは年々新しいものに変わっていくため、使用していたものと同じタイルが手に入らないことがほとんどです。
新築時の余りを残してあれば使用できますが、ない場合は部分的に色の違うタイルで補修するしかなくなります。
まとめ
外壁のひび割れは、状態によってその危険性が異なり、使用している外壁材によって対応も異なります。
しかし、どの外壁材でも緊急性の違いはあれど建物の寿命を縮める要因になります。
ひび割れの発生に気付いた際には、外壁の塗り替えなどの工事を検討し始めることをお勧めします。
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