太陽光パネルを設置したガルバリウム屋根は塗装できるの?

近年流行りのガルバリウム鋼板屋根と太陽光パネルをセットで取り付けている住宅も増えてきました。
「ガルバリウム鋼板屋根には塗装が必要なの?」「太陽光もあるけど、塗装はできるの?」と、疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、重厚なガルバリウム鋼板屋根でも、塗装は必要です。
広島県福山市の外壁塗装、屋根塗装ならイマガワペイントにお任せください。
一級建築士、一級塗装技能士が在籍するイマガワペイントが、今回は「太陽光パネルを設置したガルバリウム屋根は塗装できるの?」についてご紹介します。
太陽光パネルもガルバリウム鋼板屋根も、耐用年数は長く、丈夫なつくりです。
しかし、劣化症状が現れれば、メンテナンスも必要となります。
正しい知識とメンテナンスの重要性を理解することで、安心して住める住宅リフォームを行えます。
ガルバリウム鋼板屋根を塗装するための基礎知識については、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
参照:ガルバリウム鋼板屋根を塗装するための基礎知識-外壁塗装専門店【イマガワペイント】福山市・笠岡市
太陽光パネルを設置したガルバリウム鋼板屋根も塗装できる
太陽光パネル設置のガルバリウム鋼板屋根でも、屋根塗装は行えます。
太陽光パネルは20年ほど、メンテナンスいらずで過ごせると言われており、ガルバリウム鋼板屋根も25年から35年ほどの耐用年数があります。
しかし、劣化はいつからか必ず起こる現象といっても過言ではありません。
屋根の上に太陽光パネルがあっても、取り外して施工できます。
また、取り外さずに必要な個所を塗装することも可能です。
劣化の状況により、屋根メンテナンスを臨機応変に行うことによって、長く持つ丈夫な屋根を維持できるのです。
そもそもガルバリウム屋根とは?
ガルバリウム屋根とは、「ガルバリウム鋼板」と呼ばれる金属素材を使った屋根のことを指します。ガルバリウム鋼板は、アルミニウム・亜鉛・シリコンで構成されたメッキ層を持つ鋼板で、サビに強く、耐久性に優れているのが大きな特徴です。
一般的なトタン屋根に比べてサビにくく、軽量で耐震性にも優れているため、近年では住宅や工場、倉庫など幅広い建物で採用されています。さらに、カラーバリエーションも豊富で、シンプルモダンなデザインの住宅にもよく使われています。
ただし、「サビに強い」といっても完全にメンテナンスが不要というわけではありません。長年の紫外線や雨風によって表面の塗膜が劣化し、そこからサビが発生する可能性もあります。そのため、適切なタイミングで塗装によるメンテナンスを行うことが、長持ちさせるためには重要です。
トタン屋根やスレート屋根との違い
トタン屋根は、亜鉛メッキされた鉄板でできており、ガルバリウム鋼板と比べてコストは安めですが、サビやすく耐久性は劣ります。特に塩害地域や雨の多い地域では、早期に劣化する可能性があります。
一方、スレート屋根はセメントを主成分とする薄い板状の屋根材で、こちらも広く使われている素材です。軽量でデザイン性も高いですが、ガルバリウム屋根に比べると割れやすく、カビや苔が生えやすいというデメリットもあります。
屋根材 |
耐久性 |
メンテナンス頻度 |
重さ |
主なデメリット |
トタン屋根 |
低い |
多い |
軽い |
サビやすい |
スレート屋根 |
普通 |
中程度 |
軽め |
割れやすく、苔が生える |
ガルバリウム |
高い |
少なめ |
非常に軽い |
紫外線で塗膜が劣化することも |
このように、ガルバリウム屋根は他の屋根材に比べて、総合的に優れた性能を持っており、長期的に見てもコストパフォーマンスの高い選択肢といえます。
太陽光パネルが載っていると塗装は難しい?
結論から言うと、太陽光パネルが載っているガルバリウム屋根の塗装は、可能ですが難易度は上がります。なぜなら、パネルが設置されている部分に直接アクセスできないため、屋根全面に対して均等な塗装ができないことがあるからです。
特に問題となるのは、パネルの下にある屋根部分の塗装です。この部分は日常的にも雨風が当たりにくいため、他の部分に比べて劣化のスピードは遅い傾向がありますが、全く劣化しないわけではありません。塗装ができないまま放置すると、将来的にサビや腐食が進行してしまう恐れもあります。
また、パネルの周辺は作業スペースが狭くなるため、塗料の飛散や工具の取り扱いに細心の注意が必要です。配線や接続部を傷つけるリスクもあるため、太陽光発電の知識がある業者や、実績豊富な塗装業者に依頼することが重要です。
対処法としては、次のような選択肢があります
太陽光パネルを一時的に取り外して塗装する(理想的)
→ パネル下まできちんと塗装でき、仕上がりも良好。ただし脱着費用がかかります。
パネルをそのまま残し、塗れる範囲だけ塗装する(簡易的)
→ コストは抑えられますが、パネル下の劣化が進行するリスクがあります。
部分的な補修や点検のみを行う(応急的)
→ 全面塗装にはならないものの、状態によっては有効なケースも。
太陽光パネルが載っている屋根の塗装には、専門的な判断と丁寧な施工が求められます。無理に自分で判断せず、屋根の状態や設置状況をしっかり見極めたうえで、信頼できるプロに相談するのがベストです。
塗装できない場合の代替策はある?
もし太陽光パネルの取り外しが難しく、塗装ができない場合は、以下のような代替メンテナンスが検討できます。
パネル周辺以外の部分だけを塗装し、見た目と機能を維持する
→ パネル下は現状維持になりますが、他の部分の劣化防止には効果があります。
定期的な点検と防錆剤の塗布
→ パネル下の部分にも、スプレータイプの防錆剤を差し込むように塗布する簡易な方法です。ただし効果は限定的。
屋根カバー工法の検討
→ 状態がひどい場合は、既存の屋根の上から新しい屋根材をかぶせる「カバー工法」も選択肢になります。パネルを移設しながら施工する必要があります。
いずれも屋根の劣化状況に応じて判断されるため、信頼できる業者による現地調査が重要です。
パネル脱着にかかる費用の目安は?
太陽光パネルを一時的に取り外して塗装を行う場合、別途「脱着費用」が発生します。おおよその目安は以下の通りです:
- 1kWあたり1.5万〜3万円程度
- 4〜5kWシステムで、トータル6万〜15万円ほど
ただしこれは一例であり、以下の要素によって費用は変動します:
- パネルの枚数やメーカー
- 屋根の勾配(傾斜)や足場の設置条件
- 配線の複雑さ
- 脱着を電気工事士が対応するかどうか(資格が必要な場合あり)
また、リース契約中のパネルは勝手に脱着できないケースもあるため、契約内容を事前に確認することも大切です。
太陽光パネル設置のガルバリウム屋根に塗装が必要な理由
太陽光パネルやガルバリウム鋼板屋根は耐用年数の長い商品です。
では、なぜガルバリウム屋根にも塗装が必要と言われているのでしょうか。
下記では、太陽光を設置したガルバリウム鋼板屋根に塗装が必要な理由について解説します。
①経年劣化は免れないから
いくら頑丈なガルバリウム鋼板屋根といっても、劣化する時はいずれやってくるものです。
放置すると、リフォームする時に多額の費用が必要となったり、住宅を痛めてしまったりすることも。
劣化の症状を確認したときに、すぐに対応することで費用を安く抑え、屋根を保護できます。
②太陽光パネルの設置で屋根に負荷がかかっている
太陽光設置のガルバリウム鋼板屋根にも塗装が必要な理由は、屋根に負荷がかかっているからです。
太陽光パネルを設置すると、その分の負荷が屋根にかかっています。
太陽光パネルは近年軽量化が図られていますが、1㎡あたり12~16kg程度の重さがあります。
その為、太陽光設置屋根とそうでないものとでは、屋根への負担に差が出るのです。
屋根に負担がかかることで、劣化を早めることも少なくありません。
③予期せぬ不具合が見つかることも
太陽光パネルと屋根塗装は別々の工程で設置、塗装します。
塗装部分または太陽光パネル部分に不具合が生じれば、メンテナンスが必要になります。
二つの点検項目に分かれていると考えれば、不具合やトラブルの確率が上がることに頷けるはずです。
耐用年数が比較的長い屋根でも、不具合が見つかる可能性は捨てきれません。
ガルバリウム鋼板屋根の劣化症状とは
つづいて、ガルバリウム鋼板屋根の劣化症状について解説します。
下記のような症状があれば、メンテナンスを検討するべきです。
①色あせ
ガルバリウム鋼板屋根は、その重厚な光沢が魅力の一つです。
劣化の症状が進めば、光沢がどんどん薄くなり、屋根のコーティングが剥げていることがわかります。
色の変化は、素人目に見ても感じやすいものです。
屋根の状態をチェックするときは、色あせが進んでいないかを観察しましょう。
②錆び
ガルバリウム鋼板が劣化すると、錆びを目視で確認できます。
ガルバリウム鋼板屋根に多いのは、白錆びと言われるものです。
白錆びは、ガルバリウム鋼板に含まれる亜鉄メッキが劣化し起こります。
ガルバリウム鋼板屋根に白っぽい錆びが増えてきたら劣化の進行が確認できます。
白い汚れのようなものでも、錆びの可能性があるのでしっかりとチェックしましょう。
③コケやカビの発生
ガルバリウム鋼板屋根は、元来コケやカビは発生しにくい素材と言えます。
しかし、水はけが悪くなったり、カビやコケの好む微生物が屋根に付着した状態が続けば、発生を防げません。
水はけが悪くなっているのは、屋根の機能性が低下しているからです。
劣化が進むことで、コケやカビが発生し、屋根で増殖していきます。
太陽光パネルを設置したガルバリウム屋根塗装の注意点
太陽光パネルを設置したガルバリウム屋根を塗装するときの注意点について下記で解説します。
①正しく下地処理をする
太陽光パネルを設置したガルバリウム屋根の塗装で注意するべきことは、正しい下地処理です。
下地処理は傷んでいる部分を取り除き、補修する作業です。
丁寧に行うことで、塗装後の屋根を長く持たせられます。
②錆止めをする
ガルバリウム鋼板屋根は、塗装する前に必ず錆止めを塗ります。
錆止めを塗ることで、錆びの浸食を防止する効果が得られます。
錆止めを塗り、乾燥させたのちに屋根塗料を塗ります。
③丁寧に中塗りと上塗りを行う
注意ポイントの3つめは、中塗りと上塗りの作業を丁寧に行うことです。
ガルバリウム鋼板屋根の塗装で必要ならば、2度塗りも行います。
丁寧に中塗りや上塗りを行うことで、塗り残しを防げます。
④太陽光パネルを取り外さない場合は、接着地点に注意する
太陽光パネルを取り外さない場合は、接着地点やパネル部分に注意しましょう。
塗装する際に太陽光パネルがあることで、塗りにくさが出てきます。
太陽光パネルは精密機械なので、人為的な負荷がかかれば、故障することも考えられるのです。
その為、太陽光パネル部分に注意して塗装を行わなければいけません。
ガルバリウム屋根を塗装する際のポイント
ガルバリウム鋼板は非常に耐久性が高く、サビにも強い素材ですが、年月とともに表面の塗膜が劣化するため、定期的な塗装による保護が必要です。しかし、他の屋根材と異なり、ガルバリウム屋根の塗装にはいくつかの「特有の注意点」があります。
- 専用の下塗り材を使うことが重要
ガルバリウム鋼板は、表面がツルツルしていて塗料が密着しにくい性質があります。そのため、密着性の高い「プライマー(下塗り材)」を使用することが絶対条件です。通常の鉄部用塗料ではすぐに剥がれてしまうリスクがあるため、専用の下塗り材を選びましょう。
- 塗装前の高圧洗浄とケレン(表面処理)が必須
長年の汚れやコケ、古い塗膜などが残ったまま塗装すると、新しい塗料がうまく定着せず、短期間で剥がれる可能性があります。塗装前には、しっかりと高圧洗浄を行い、必要に応じてケレン(サンドペーパーなどで表面を整える作業)を行うことが重要です。
- 塗装の時期は「晴天続き」が理想
金属屋根は、湿気を含んだ状態で塗装すると塗料が浮いたり、乾燥不良による不具合が発生しやすくなります。天候の安定した時期(春・秋)を選び、数日間雨が降らない日を狙って作業するのがベストです。
- 遮熱塗料の使用もおすすめ
ガルバリウム屋根は金属のため、夏場に熱を吸収しやすいというデメリットもあります。そこで、遮熱・断熱効果のある塗料を選ぶと、室内の暑さ対策にもつながります。電気代の節約や住環境の快適性向上にも効果的です。
- 信頼できる塗装業者を選ぶ
塗料や施工方法を間違えると、数年で塗膜が剥がれてしまうケースもあります。ガルバリウム鋼板の塗装経験が豊富な業者かどうかを確認し、過去の施工例や保証内容もチェックしましょう。
塗装のタイミングと費用の目安は?
ガルバリウム鋼板は、耐久性が高くメンテナンス性にも優れた屋根材ですが、表面の塗膜は経年劣化するため、定期的な塗装が必要です。では、どのタイミングで塗装すればよいのでしょうか?また、費用はどのくらい見込めばいいのでしょうか?
適切な塗装のタイミングはいつ?
一般的に、ガルバリウム屋根の塗装時期の目安は「築10年〜15年」と言われています。とはいえ、建物の立地や環境によって劣化の進行速度は異なります。以下のような症状が見られる場合は、塗装を検討するサインです。
- 屋根表面の色あせや艶の消失
- チョーキング(手で触ると白い粉が付く現象)
- 小さなサビや腐食の発生
- 雨音が以前より大きく感じる(塗膜劣化による影響)
早めに対応することで、塗装だけで済むケースが多く、張り替えなどの大規模工事を回避できます。
ガルバリウム屋根塗装の費用の目安
塗装費用は、屋根の面積や使用する塗料、施工条件によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
項目 |
費用の目安(㎡単価) |
高圧洗浄・下地処理 |
約300〜500円/㎡ |
下塗り+中塗り+上塗り(3回塗り) |
約2,000〜3,500円/㎡ |
足場代 |
約600〜1,200円/㎡(別途一式で10〜20万円程度) |
例:30坪の住宅で約60〜80㎡の屋根の場合、総額で20万〜40万円程度が目安となります。遮熱塗料や高耐久塗料を使うと、やや高くなることもあります。
また、太陽光パネルが載っている場合は脱着費用(5〜15万円程度)が追加されるケースもあるため、事前に見積もりを確認しましょう。
よくある質問(Q&A)
Q1:太陽光パネルを外さずに塗装はできますか?
A: 基本的には外さずに塗装することも可能ですが、パネルの下は塗装できません。将来的なサビや劣化を防ぐためには、一度取り外して塗装するのが理想です。
Q2:塗装の際に太陽光パネルが壊れる心配はありませんか?
A: 経験豊富な業者であれば、パネルや配線を保護しながら慎重に作業するため、壊れるリスクは低いです。ただし、施工前に保険加入の有無などを確認しておくと安心です。
Q3:塗装のときに電力供給は止まりますか?
A: 一時的にパネルを外す場合や配線の工事が必要な場合は、短時間の停止が発生することがありますが、一般的にはすぐに復旧可能です。
Q4:どのくらいの頻度で塗装が必要ですか?
A: ガルバリウム鋼板は耐久性が高い素材ですが、塗装の目安は約15〜20年に一度です。環境や設置状況によって前後するため、定期的な点検がおすすめです。
Q5:パネルを外す費用は誰が負担するの?
A: 多くの場合、塗装業者に依頼する際に別途費用がかかります。自家用かリース契約かによっても変わるので、契約内容を確認しましょう。
太陽光パネル設置屋根下の外壁塗装の必要性については下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
参照:太陽光パネル下の外壁塗装の重要性とは-外壁塗装専門店【イマガワペイント】福山市・笠岡市
まとめ
今回は、太陽光パネルを設置したガルバリウム屋根は塗装できるの?という疑問について、詳しく解説しました。
太陽光パネルを設置したガルバリウム鋼板屋根に塗装は必要だと言えます。
その理由としては、耐用年数の比較的長いガルバリウム鋼板屋根でも、劣化することもあるからです。
劣化の症状にいち早く気づくことで、ガルバリウム鋼板屋根をメンテナンスし、保護することが可能です。
太陽光パネルを設置したままガルバリウム鋼板屋根を塗装する場合は、設置部分に注意して作業しましょう。
安全に塗装作業を完了することで、太陽光パネル設置のガルバリウム屋根が長く持たせられます。
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