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スレート屋根塗装は本当に必要ない?知っておくべき真実

「スレート屋根は塗装しなくても大丈夫」「塗装は意味がない」という話を耳にしたことはありませんか?近年、インターネット上やリフォーム業界でこのような情報が広まり、多くの住宅所有者が混乱しています。確かに、特定の条件下ではスレート屋根塗装が不要なケースも存在します。しかし、すべてのスレート屋根に当てはまるわけではありません。

本記事では、「スレート屋根塗装は必要ない」と言われる背景にある理由を詳しく解説し、実際に塗装が必要なケースと不要なケースの見分け方、そして適切なメンテナンス判断の基準について、専門的な視点から分かりやすくお伝えします。

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一級建築士、一級塗装技能士が在籍するイマガワペイントが、今回は「スレート屋根塗装は本当に必要ない?知っておきべき真実」についてご紹介します。

外壁塗装について気になる方は、ぜひ参考にしてください。

また、外壁塗装で気をつけるべきポイントについて気になる方は下記の記事で詳しく解説していますので、チェックしてみてください。

参照:外壁塗装はなぜ必要?放置すると起こる劣化のリスクとは

スレート屋根塗装が「必要ない」と言われる理由

防水機能は塗装ではなく屋根材本体が担っている

スレート屋根塗装が不要と言われる最も大きな理由は、屋根の防水機能が塗装によって維持されているわけではないという事実です。実は、屋根の防水性能を担っているのは、スレート材そのものと、その下に敷かれている防水シート(ルーフィング)なのです。

スレート表面の塗装は、主に美観維持や紫外線からの保護を目的としており、雨水の浸入を直接防ぐための機能ではありません。つまり、塗装が劣化したからといって、すぐに雨漏りが発生するわけではないのです。この構造的な理解が、「塗装は必要ない」という主張の根拠となっています。

1996年〜2008年製造のノンアスベスト問題

スレート屋根塗装不要説が広まった背景には、特定の時期に製造されたスレート材の品質問題があります。1996年から2008年頃に製造された初期のノンアスベストスレート材は、アスベストの代替材料への移行期であったため、製品自体の耐久性に問題がありました。

この時期のスレート材は、塗装を施しても本体自体がもろく劣化しやすいため、塗装メンテナンスを行っても十分な効果が得られないケースが多かったのです。結果として、「塗装しても無駄」という認識が業界内で広まり、一般にも知られるようになりました。

しかし、これはあくまでこの時期の特定製品に関する問題であり、すべてのスレート屋根に当てはまるわけではありません。

塗装による縁切り不良などのトラブル事例

スレート屋根塗装では、「縁切り」という重要な工程があります。縁切りとは、スレート材の重なり部分に隙間を設けて、万が一侵入した雨水を排出できるようにする作業です。この工程を怠ると、屋根内部に水が溜まり、かえって雨漏りや腐食の原因となってしまいます。

過去に、この縁切り作業を適切に行わない施工業者による不良工事が多発し、「塗装したら逆に問題が起きた」という事例が報告されました。このようなトラブル事例も、塗装不要説が広まる一因となっています。

費用対効果が低いケースの存在

スレート屋根の塗装費用は、一般的な住宅で60万円〜100万円程度かかります。しかし、屋根材本体の劣化が進んでいる場合、塗装を施しても数年で再び劣化が進むことがあります。

このような状態では、塗装によって得られる寿命延長効果が限定的となり、費用対効果が低くなります。特に築20年以上経過した住宅では、塗装ではなく葺き替えやカバー工法を検討した方が長期的にはコストパフォーマンスが良い場合もあります。

それでもスレート屋根塗装が必要なケースとは

美観維持と資産価値の保護

塗装が防水機能に直接関係しないとはいえ、美観維持は住宅の資産価値を保つ上で重要な要素です。色あせた屋根は、住宅全体の印象を大きく損ないます。特に住宅を将来的に売却する可能性がある場合や、地域の景観を大切にしたい場合には、定期的な塗装メンテナンスが有効です。

また、塗装によって屋根を美しく保つことは、住まいへの愛着や満足度にも繋がります。心理的な快適さという観点からも、塗装の価値は決して低くありません。

スレート材本体の保護と寿命延長

スレート材はセメント質でできており、表面の塗装が劣化すると紫外線や雨水の影響を直接受けるようになります。塗装によって形成される保護膜は、スレート材の吸水を抑え、凍害やひび割れの進行を遅らせる効果があります。

特に寒冷地では、吸水したスレート内部の水分が凍結・膨張を繰り返すことで、材料が破損しやすくなります。適切なタイミングでの塗装メンテナンスは、このようなダメージを軽減し、屋根材本体の寿命を延ばす効果が期待できます。

コケやカビの発生を防ぐ

塗装の撥水効果が失われると、スレート表面が水分を吸収しやすくなり、コケやカビが繁殖しやすい環境になります。コケやカビは見た目の問題だけでなく、スレート材の劣化を加速させる原因にもなります。

特に日当たりの悪い北側の屋根や、樹木に囲まれた環境にある住宅では、コケの発生が顕著です。定期的な塗装メンテナンスは、このような生物的な劣化要因からも屋根を守る役割を果たします。

軽度なひび割れの進行抑制

スレート材に軽度なひび割れが発生している場合、塗装によってひびを覆い、雨水の浸入や劣化の進行を一時的に抑えることができます。ただし、これは応急処置的な効果であり、ひび割れが深刻な場合は、部分補修や葺き替えを検討する必要があります。

塗装は万能ではありませんが、早期の段階で適切に施工すれば、小さな劣化の進行を食い止め、大規模な修繕を先延ばしにできる可能性があります。

塗装が適切かどうかを判断する基準

スレート材の製造年代を確認する

前述の通り、1996年〜2008年頃に製造されたノンアスベストスレート材は、塗装によるメンテナンス効果が限定的です。この時期に建てられた住宅の場合は、まず屋根材の種類と製造年代を専門業者に確認してもらうことをお勧めします。

該当する製品の場合は、塗装ではなく葺き替えやカバー工法を検討した方が、長期的なコストパフォーマンスが良いケースが多いです。

劣化の程度を見極める

スレート屋根の劣化には、いくつかの段階があります。表面の色あせや軽度なコケの発生程度であれば、塗装メンテナンスで十分対応可能です。しかし、以下のような症状が見られる場合は、塗装だけでは不十分な可能性があります。

・スレート材の反りや浮き ・広範囲にわたる複数のひび割れ ・スレート材の欠損や割れ ・屋根全体のたわみ

これらの症状が見られる場合は、塗装前に部分的な補修が必要か、あるいは葺き替えやカバー工法を検討すべきか、専門家の診断を受けることが重要です。

住宅の築年数と今後の居住計画

築10年前後で初回のメンテナンスを検討している場合は、塗装が有効な選択肢となるケースが多いです。この時期であれば、スレート材本体の劣化もまだ軽度であり、塗装によって10年程度の保護効果が期待できます。

一方、築20年以上経過している場合や、あと5〜10年で住み替えを予定している場合は、費用対効果を慎重に検討する必要があります。長期的な居住を予定しているなら、塗装よりも根本的なリフォームを選択した方が良い場合もあります。

信頼できる業者の診断を受ける

最も重要なのは、実際に屋根の状態を専門家に診断してもらうことです。インターネットの情報だけで判断するのではなく、複数の業者から見積もりと診断を受け、それぞれの提案内容を比較検討することをお勧めします。

信頼できる業者は、無理に高額な工事を勧めるのではなく、屋根の現状を写真や動画で説明し、複数の選択肢とそれぞれのメリット・デメリットを提示してくれます。

塗装以外のメンテナンス選択肢

部分補修・部分張り替え

劣化が特定の箇所に限定されている場合は、その部分だけを補修または張り替えることで、コストを抑えながらメンテナンスできます。ひび割れた数枚のスレート材を交換するだけで済むケースもあります。

部分補修は、全体的な塗装や葺き替えに比べて費用が大幅に抑えられるため、予算が限られている場合の有効な選択肢となります。

カバー工法(重ね葺き)

既存のスレート屋根の上に、新しい屋根材を重ねて施工する方法です。葺き替えに比べて廃材処分費用がかからず、工期も短縮できるため、近年人気が高まっています。

カバー工法は、下地が健全な状態であれば選択できる方法で、費用は葺き替えの70〜80%程度に抑えられることが多いです。ただし、屋根の重量が増加するため、建物の構造によっては適用できない場合もあります。

葺き替え工事

既存のスレート材をすべて撤去し、新しい屋根材に交換する最も根本的なメンテナンス方法です。費用は最も高額になりますが、下地から刷新できるため、最も確実に屋根の性能を回復できます。

築25年以上経過している住宅や、下地の劣化が疑われる場合は、葺き替えを検討する価値があります。新しい屋根材は、従来のスレートよりも耐久性の高い製品も選択できます。

まとめ:状況に応じた適切な判断を

「スレート屋根塗装は必要ない」という情報は、完全に間違っているわけではありませんが、すべてのケースに当てはまるわけでもありません。重要なのは、ご自身の住宅の屋根の状態、築年数、今後の居住計画、予算などを総合的に考慮して判断することです。

塗装が必要かどうかは、以下のポイントを基準に検討してください。

・屋根材の製造年代(1996〜2008年製は要注意) ・劣化の程度(表面的な劣化か、構造的な問題か) ・築年数と今後の居住計画 ・費用対効果の検討 ・信頼できる専門業者の診断

安易に「塗装は不要」と判断して放置すると、かえって大規模な修繕が必要になる可能性もあります。逆に、不必要な塗装で費用を無駄にすることも避けたいところです。

定期的な点検を行い、適切なタイミングで適切なメンテナンスを選択することが、住宅を長持ちさせ、快適に暮らすための鍵となります。判断に迷った際は、必ず複数の専門業者に相談し、納得のいく説明を受けた上で決定することをお勧めします。

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