家に合った外壁塗装の塗料を選ぶための基礎知識

「そろそろ外壁塗装の時期だけど、どんなリフォームにするべき?」「家に合った外壁塗装がしたい!」とお悩みの方も多いと思います。
せっかく外壁塗装をするなら、家に合う外壁リフォームを行いたいですよね。
広島県福山市の外壁塗装、屋根塗装ならイマガワペイントにお任せください。
一級建築士、一級塗装技能士が在籍するイマガワペイントが、今回は「家に合った外壁塗装の塗料を選ぶための基礎知識」についてご紹介します。
太陽光設置住宅の塗装についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
また、外壁塗装の塗り替え費用を抑えるポイントは下記の記事で詳しく解説していますので、チェックしてみてください。
参照:外壁塗装専門店【イマガワペイント】福山市・笠岡市 -外壁塗装の塗り替え費用を抑えるポイント
外壁塗装の塗料選びが重要な理由

外壁塗装の塗料選びは、家を長く安心して維持するうえで非常に重要なポイントです。
なぜなら、塗料は単なる「色づけ」ではなく、家を雨・紫外線・カビ・汚れなどの外的要因から守る“鎧”の役割を果たしているからです。適切な塗料を選ぶことで、外壁材の劣化を大幅に遅らせ、ひび割れやチョーキングなどの早期トラブルを防ぐことができます。
また、地域の気候条件や外壁材との相性を考慮しない塗料を選ぶと、本来の性能が発揮されず、耐久年数が短くなり、結果的にメンテナンスの頻度が増える可能性があります。
外壁塗装は10〜15年に一度の大きな出費だからこそ、塗料の性能・費用・外壁材との相性などを総合的に判断し、家に最適なものを選ぶことが、住宅の寿命を伸ばし、将来の維持費を抑えるために不可欠なのです。
家の保護性能を左右する「耐久性」
塗料の「耐久性」は、外壁をどれだけ長く守れるかを示す最も重要な指標です。
耐久性が高い塗料ほど、紫外線による劣化、雨風による侵食、カビ・藻の発生を抑え、外壁材そのものを長期間にわたり保護します。一般的にアクリル<ウレタン<シリコン<フッ素<無機の順で耐久性が高くなりますが、価格もそれに伴い上がります。
特に日本は高温多湿で紫外線量も多いため、地域性を考慮した耐久性の選択が不可欠です。耐久年数が短い塗料を選ぶと、見た目が早く劣化し、再塗装のサイクルが早くなるため、結果的に費用が高くつくこともあります。
一方、耐久性の高い塗料は初期費用は高めでも、長期間外壁を守り、メンテナンス回数を減らすことで長期的なコスト削減につながります。そのため、塗料の耐久性は「家をどれだけ長持ちさせたいか」に直結する非常に重要な要素です。
外観の印象を大きく変える「美観性」
外壁塗装は家の外観を決定づけるため、「美観性」は塗料選びで重視すべきポイントのひとつです。
色や艶の有無によって、家の雰囲気は大きく変わり、落ち着いた印象にもモダンな印象にも仕上げることができます。また、塗料によっては色あせしにくいもの、汚れが付きにくいものなど、見た目を長持ちさせるための性能も備えています。
特に淡色は汚れが目立ちやすく、濃色は熱を吸収しやすいなど、それぞれにメリットとデメリットがあるため、環境や好みに合わせた選択が重要です。
さらに、試し塗りやカラーシミュレーションを活用することで、イメージとのギャップを減らし、満足度の高い仕上がりを実現できます。家の印象は外観で大きく左右されるため、美観性に優れた塗料を選ぶことは、住宅価値を高め、住む人の気分も豊かにしてくれる大切な要素です。
将来のメンテナンス費用に差が出る「コスト」
外壁塗装は決して安い工事ではないため、「コスト」は塗料選びの際に大きく影響する項目です。
しかし、塗料の価格だけに注目すると、長期的に損をする可能性があります。耐久性の低い安価な塗料は、初期費用を抑えられるものの、数年早く再塗装が必要になり、結果的に総費用が膨らみがちです。
一方、耐久性の高いシリコン、フッ素、無機塗料などは初期費用こそ高めですが、塗り替え周期が長く、トータルで見るとコストを抑えられるケースが多くあります。
また、塗料によって必要な下地処理の内容や施工手間も変わるため、見積もりの段階で「塗料のグレード」「耐用年数」「施工内容」をしっかり比較することが必要です。
家に長く住む予定があるなら、単純な価格の安さではなく、長期的な維持費までを見越した“コストパフォーマンスの良い塗料”を選ぶことが、結果的に賢い選択となります。
外壁塗料の種類と特徴を知る

外壁塗装を成功させるためには、塗料の種類ごとの性能・価格・耐久年数の違いを理解することが欠かせません。
外壁塗料にはアクリル・ウレタン・シリコン・ラジカル制御型・フッ素・無機など多くの種類があり、それぞれに得意分野と注意点があります。
たとえば、価格を抑えたい場合はアクリルやウレタンが選択肢になりますが、耐久性を重視するならシリコンや無機塗料が適しています。また、最新技術によるラジカル制御型は、コスパと耐久性のバランスが非常に良く、ここ数年で人気が急上昇しています。
さらに、塗料の種類によって施工方法や乾燥時間、必要な下地処理も異なるため、家の状態や地域の気候に合わせた選択が重要です。外壁材との相性も考慮することで、塗料本来の性能を最大限に引き出すことができます。塗料の特徴を知ることは、後悔しない外壁塗装の第一歩と言えるでしょう。
アクリル塗料(安価だが耐久性は低め)
アクリル塗料は外壁塗料の中で最も安価に施工できることが大きなメリットです。
発色も良く、扱いやすい塗料として以前は広く使用されていました。しかし近年は、耐久年数が5〜7年と短く、紫外線に弱いことから、外壁用としては選ばれる機会が減ってきています。
それでも、短期的に見た目を整えたいケースや、倉庫・物置など長期耐久性がそれほど求められない建物には適した選択肢です。また、DIYでも扱いやすいことから、手軽に塗り替えしたい場合にも利用されています。
ただし、一般的な住宅で長期的なコストを考えると、頻繁な塗り替えが必要となり、結果的に他の高性能塗料より割高になることもあります。初期費用を最小限に抑えたい場合を除き、耐久性やメンテナンス性の観点からは、より高性能の塗料との比較検討が欠かせません。
ウレタン塗料(価格と性能のバランスが良い)
ウレタン塗料は、アクリル塗料よりも耐久性が高く、価格も中程度であることから、かつては住宅塗装の主流として広く使われてきました。耐久年数は約7〜10年で、密着性が高く、細かい部材や雨樋などにも適しています。
また、弾性があるため、軽微なひび割れの追従性にも優れています。しかし、近年はシリコン塗料の価格が下がり、耐久性も大幅に向上したことで、ウレタン塗料の採用率は減少傾向にあります。
それでも、木部や鉄部など、柔らかさや密着性が求められる部分には依然として相性が良い塗料です。コストを抑えつつも一定の耐久性を確保したい場合、ウレタン塗料は依然として候補に入ります。外壁全体よりも、部分塗装や補修で使われることが多いため、用途を見極めた選択がポイントになります。
シリコン塗料(現在の主流でコスパが高い)
シリコン塗料は、外壁塗装の中でも最も採用されている主流の塗料です。
耐久年数は10〜15年程度と長く、価格も手頃なためコストパフォーマンスに優れています。
また、汚れにくさや紫外線への強さなど、外壁を長期的に綺麗に保つための性能が高いのも特徴です。水性タイプのシリコン塗料が増えており、環境への配慮や匂いの少なさもメリットとして評価されています。さらに、メーカーによっては高耐候型や弾性シリコンなど、用途に合わせたバリエーションも豊富です。耐久性とコストのバランスが良いため、多くの家庭で初めての塗り替え時に選ばれることが多く、業者も施工経験が豊富なので安心感があります。
価格・性能・施工性の三拍子が揃った塗料で、迷ったときには最も選びやすい選択肢と言えるでしょう。
ラジカル制御型塗料(耐久性をアップした新技術)
ラジカル制御型塗料は、近年注目されている最新技術の塗料で、シリコン塗料と同等かそれ以上の耐久性を保ちながら、価格は比較的抑えられていることが特徴です。
「ラジカル」とは、外壁を劣化させる原因となる有害物質で、紫外線によって発生し、塗膜の色あせやチョーキングを引き起こします。ラジカル制御型塗料は、このラジカルの発生・拡大を抑える特殊成分を含んでおり、長期間にわたり塗膜の劣化を防ぐことができます。耐久年数は12〜16年程度で、シリコン塗料よりも若干長い傾向があります。さらに、コスパの良さに加え、色あせしにくい点も評価されており、近年の外壁塗装では人気が急上昇しています。価格と性能のバランスを重視しつつ、より劣化しにくい塗料を選びたい方に最適な選択肢と言えるでしょう。
フッ素塗料(高耐久だが価格は高め)
フッ素塗料は、一般住宅用塗料の中でもトップクラスの耐久性を持ち、耐久年数は15〜20年以上と非常に長いのが特徴です。
紫外線・雨風・汚れに非常に強く、高層ビルや橋梁、商業施設など、長期的な保護が必要な建築物にもよく使用されています。高耐候性があるため、色あせしにくく、美観を長期間維持できる点も大きなメリットです。ただし、初期費用はシリコンやラジカル制御型と比べると高額で、住宅の外壁塗装としては予算に余裕のある方に向いています。
また、硬い塗膜のため、外壁材によっては相性に注意が必要なケースもあります。長く住む予定があり、塗り替え回数をできるだけ減らしたい場合には、非常に理想的な選択肢です。トータルでのメンテナンス費用を抑えたい方にも向いています。
無機塗料(最上位クラスの耐久性)
無機塗料は、耐久性の面で最上位に位置する高級塗料で、耐久年数は20〜25年以上と非常に長いのが特徴です。
無機物(ガラスや鉱物など)を主成分としているため、紫外線や熱、水に強く、劣化しにくい性質があります。また、汚れが付きにくく、カビや藻も発生しにくいため、美観性を長期間維持できます。
そのため、メンテナンス周期をとにかく長くしたい方や、できるだけ耐久性の高い塗料を選びたい方に向いています。ただし、他の塗料に比べて価格が高く、塗膜が硬いため外壁材との相性に注意が必要な場合もあります。
とはいえ、長期的なメンテナンスコストを最小限に抑えたい場合、無機塗料は最も優れた選択肢です。耐久性、美観性、低汚染性のすべてを求める方に最適なハイグレード塗料と言えるでしょう。
外壁材との相性で塗料を選ぶ

外壁塗装の成功は、塗料の性能だけでなく「外壁材との相性」を考えて選ぶかどうかで大きく左右されます。
同じ塗料でも、外壁材によって密着性や耐久性が変わり、適切な下地処理や専用塗料を選ばなければ早期の剥がれや膨れが発生する原因になります。
たとえば、窯業系サイディングにはシーラーの種類選びが特に重要で、モルタル外壁には弾性塗料が適する場合があります。さらに、ALC外壁は吸水しやすく、防水力の高い塗料が必須です。一方、金属サイディングには錆止めが欠かせません。
このように、外壁材はそれぞれ特有の弱点や劣化症状を持つため、それをカバーするための塗料の選択が重要になります。相性の良い塗料を選ぶことで、外壁を長期間保護し、美観を維持できるだけでなく、メンテナンス周期を延ばすことにもつながります。
サイディングに合う塗料と注意点
サイディング外壁には主に「窯業系サイディング」が使われています。
サイディングは工場で仕上げ加工されているため、劣化が進むと塗膜の密着力が低下し、チョーキングや反り、吸水による傷みが起こりやすくなります。
そのため、塗装の際にはサイディング専用の下塗り材(シーラーまたはフィラー)を選ぶことが必須です。また、クリア塗装を希望する場合は、劣化が軽度であることが条件となり、チョーキングが発生している場合は選べません。塗料はシリコンやラジカル制御型がよく選ばれ、コスパと耐久性のバランスが良いのが理由です。さらに、サイディングは目地のシーリングが劣化しやすいため、塗装と同時に「打ち替え」を行うことが重要です。
外壁材の状態を正しく見極めながら、下地処理と塗料の相性を重視することで、仕上がりと耐久性が大きく向上します。
モルタル外壁に適した塗料の選択基準
モルタル外壁は職人による塗り壁仕上げのため、独特の風合いと重厚感が魅力ですが、ひび割れ(クラック)が起こりやすいという弱点があります。
そのため、塗料選びでは「弾性塗料」が適しているケースが多く、外壁の動きに追従してひび割れの拡大を防ぐことができます。特に、微弾性フィラーを下塗りに使用すると、小さなクラックを埋めながら下地を整える効果があります。
また、モルタル外壁は吸水しやすく汚れも付きやすいため、防カビ・防藻性能や低汚染性を備えた塗料を選ぶことも重要です。仕上げにはシリコン塗料やラジカル制御型塗料が使われることが多く、コストと耐久性の両立が可能です。
外壁の劣化状況によっては、塗料より先に補修が必要な場合もあるため、下地調査と補修を徹底したうえで適切な塗料を選ぶことが、高い耐久性を確保するうえで欠かせません。
ALC外壁で気をつけるべきポイント
ALC外壁(軽量気泡コンクリート)は耐火性・断熱性に優れた高性能な外壁材ですが、非常に吸水しやすいという特徴があります。
そのため、塗装では「防水性の高い塗料」を選ばないと、外壁内部に水が浸入し、ひび割れや劣化が加速する恐れがあります。特に重要なのが下塗りで、ALC専用の浸透性シーラーを使用し、しっかりと吸い込みを止める必要があります。
また、ALCパネルには目地が多く、シーリングの劣化が雨漏りの原因になるため、サイディング以上に丁寧なシーリング施工が必須です。仕上げにはシリコン、ラジカル制御型、無機塗料などが選ばれますが、防水性能と伸縮性のある塗料が適しています。
ALC外壁は素材の特性を理解し、吸水対策とシーリング処理を適切に行うことで、本来の性能と美観を長く維持することができます。
金属サイディングの場合の最適な塗料
金属サイディングは軽量で耐久性が高く、デザイン性にも優れていますが、最も注意すべき点は「錆(サビ)」です。
塗装を行う前には必ずケレン(研磨)を行い、錆の除去や下地処理を徹底する必要があります。下塗りには、金属専用の「錆止め塗料」が必須で、これを怠ると短期間で剥がれや腐食が進行してしまいます。
上塗りにはシリコン塗料やフッ素塗料、無機塗料などが選ばれ、特に耐久性の高いフッ素系は金属外壁との相性が良く、長期間美観を保てます。また、熱を吸収しやすい濃色を選ぶと金属が膨張しやすくなるため、色選びにも注意が必要です。
金属特有の膨張収縮に対応した塗料や、遮熱機能を備えた塗料を選ぶことで、より高い耐久性と快適性を実現できます。
まとめ

今回は、家に合った外壁塗装の塗料を選ぶための基礎知識について解説しました。
塗料選びは、家の条件やライフスタイル、予算に応じて慎重に行う必要があります。
一度適切な塗料を選べば、長期間にわたって外壁を美しく保ち、家の寿命を延ばすことができます。
迷った場合は、信頼できる業者に相談しながら、最適な選択を進めましょう。
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