サイディングが割れたり浮いているときは、塗装だけではダメ
今日は、サイディングの割れや浮きなどのトラブルの原因とその補修方法についてご説明していきたいと思います。
自宅の外壁を見上げた時、浮いていたり、ひび割れが見えたら、どうしよう‥‥
外壁のメンテナンスと言えば外壁塗装!と思っている方も多いのではないでしょうか?
サイディングの歪みやひび割れがあれば補修をしてから塗装をします。
この下処理はとても重要で、ひびを補修しないまま塗装しても、ひび割れ自体は解消しないため、雨漏りの原因となったり、外壁の劣化を早める原因にもつながります。
ですが、塗装だけではだめな場合もあるんです!
今日はそんな場合の時の対処についてもご説明させて頂きます。
サイディング
そもそもサイディングとは、細長い板状のサイディングボードと呼ばれる外壁材の事をいい、それを建物のサイズに調整し貼り合わせ、コーキングで埋めている壁の事をサイディング外壁と言います。
現在の住宅に使われる外壁仕上げ材では、サイディングが最も普及しています。
それ以前はモルタルが主流となっていました。モルタルとは、砂とセメント、水を混ぜ合わせたものをいい、職人の手作業で塗り、さらに仕上げで塗装をします。
サイディングが普及したことにより少しづつシェアが減り、新築住宅では1割にも届きませんが、既存の住宅ではまだまだ多く残っています。
サイディングの種類と特徴
サイディングには使われている材料により、大きく分けて4つの種類があります。
・窯業系サイディング
セメント質と繊維質を主原料にして作られている外壁材です。
一般的にサイディングと言えば窯業系サイディングと言われるほど、サイディングの中でも最も主流で多くの戸建て住宅に使われています。
セメント質を使用しているため、耐火性・耐久性があります。
さらに、レンガ調、木目調、ボーダー柄、ストーン柄、タイル柄など、デザイン性が豊富なことや他の種類のサイディングに比べ、価格が安いという事も人気な理由の一つと言えます。
一方で、吸水性が高く、水に弱いというデメリットもあります。
・金属系サイディング
その名の通り、金属を使用した外壁材です。
主な金属は、アルミニウムやステンレスなどの鋼板で、デザイン性、耐久性に優れた表面材と断熱性、耐火性に優れた裏打材で構成されています。
軽量なため、カバー工法に用いられることが多いです。
原料が金属の為、メンテナンスの頻度が低いことも魅力の一つです。
しかし、金属を使っている為、塩害やサビに弱く、キズが付きやすいというデメリットもあります。
・樹脂系サイディング
北米生まれの寒さに強い塩化ビニール樹脂製の外壁材です。
日本でのシェアに少ないですが、北米では50%を占めています。
軽量で建物への負担が少なく、耐久性・弾力性に優れており、耐用年数が非常に長いことが特長です。
つなぎ目であるシーリングがない為、メンテナンスの必要がほとんどなく近年人気が高まっています。
・木質系サイディング
天然の木材に塗装をした外壁材です。
天然の木材を使用しているからこその温かみ、芸術性を感じられるのはもちろん、断熱性にも優れているという魅力があります。
しかし、天然の木を使用している為、耐火性・耐水性が他の種類のサイディングに比べると劣ってしまいます。
また、価格が高いという点も導入のハードルが高い理由の一つと言えます。
サイディングの割れや浮きの原因
サイディングのひび割れや浮きが起こる原因はシーリングや表面の塗装の劣化から始まります。
その後、少しずつサイディングボードが反ったり、浮いたりしてきて、ひび(クラック)、最後には割れにつながってくるのです。
①シーリング・塗装の劣化
サイディング外壁の中で紫外線や雨風による劣化が一番早く出てくるのは、シーリング部分です。
シーリングがひび割れていたりや剥がれて隙間が出来ていると、その部分から湿気や雨水などが入り込んできます。そしてサイディングボードが水分を吸収して膨れ上がってしまいます。
外壁の塗装が弱まり、防水性がなくなっってしまった場合にも同じように、サイディングボードが水分を吸収して膨れ上がってしまいます。
特に、窯業系サイディングは吸水性が高いという特徴を持っている為、不具合が起こりやすいです。
②サイディングボードの反り
水を吸い込んで膨れ上がった外壁は、晴れた日の気温や日光により表面から乾き、吸い込んだ水分が蒸発して縮んでしまうのです。
この収縮により、サイディングボードの端から反ってしまします。
平らだった外壁が、他の部分と比べて盛り上がっていたり、不自然に見えた場合反りが発生していると考えられます。
③サイディングボードの浮き
反りを放置していると、サイディングボード同士の継ぎ目部分から浮いてきます。
継ぎ目部分を埋めているシーリング材が剥がれて隣りのサイディングボードとの間に隙間が出来ることもあります。
その他に、釘やビスなど留め忘れといった施工不良で浮きが発生することもあります。
④サイディングボードのひび(クラック)
この膨脹、収縮の繰り返し起こる変形が時間と共に大きくなり、負荷がかかりすぎるとひびにつながります。
その他にも、地震の揺れや、窓の開け閉めによるサッシへの衝撃でひびが起こることもあります。
1回の開け閉めでは大きな衝撃はありませんが、長年繰り返される負荷が蓄積されひびにつながってしまいます。
⑤サイディングボードの割れ
ひびを放置していると、変形が進み割れにつながります。
釘やビスなどの金具で固定している部分の近くから割れていることが多いです。
そうなると、サイディングボードが固定されていない為、サイディングが外れて落下する可能性があり危険です。
このような劣化を放置し、建物内部に雨水などが入り込むことで
・外壁内部の腐食
・雨漏り
・カビの発生
・シロアリの発生
などの影響が出てきます。
ここまで大きな影響が出てしまう前に、気が付いたら施工業者に相談してみましょう!
👉お住まいの無料診断はコチラからどうぞ!
補修方法
・サイディングの反りや浮きが軽度な場合‥‥
釘やビスを打つことで固定する
一度変形をしてしまうと見た目以上に外側へと力が加わっている為、完全に元に戻すのは難しいです。
手で押してみて戻る程度の軽度な場合は釘やビスを打ち込み固定することが出来ます。
・サイディングの反りや浮きが重度な場合‥‥
サイディングボードの部分張替え
変形が重度な場合、釘やビスで無理に固定しようとすると割れてしまう事もある為、サイディングを張り替える必要があります。
周辺のシーリングを剥がし、サイディングボードを取り外します。その後、新しいサイディングボードを張ります。
この際、現在と全く同じデザインのサイディングボードがあれば良いのですが、古いものだと生産終了していることもあります。
その場合、現在と近いものを選ぶことになりますが、違和感を持ってしまう事もあります。
サイディングボードの全面張替え
現在と同じデザインのサイディングボードがなく、デザインに統一感が無くなってしまうのが嫌な場合や、築30年以上たっている場合には、全面張替えをおススメします。
カバー工法
今ある外壁を取り除かず、新しい外壁材を重ねて張る手法の事です。
全面張替えに比べ、解体の手間が無く廃材が少ない為、費用が大きく削減できるのはもちろん工事期間も短く済むのでおすすめです。
しかし、劣化が家の内部にまで及んでいた場合、カバー工法では対処できない家もあります。
・サイディングのひびが一部に入っている場合‥‥
刷り込みによる補修
ヘアークラック(幅が0.3㎜未満の細くて浅いひび割れ)は表面の塗装に起きているひび割れで緊急性は低いですが、補修は必須です。
塗装だけではその場しのぎになってしまい、数年もするとクラックの跡が出てきてしまいます。
この場合は、微弾性フィラーやセメントフィラーなどの下塗り材をラスターなどの硬い刷毛を使ってクラックの中に刷り込んで補修します。
シーリング材の充填
構造クラック(幅が0.3㎜以上、深さ5㎜ある大きなひび割れ)は上記のヘアークラックより深く、外壁の内部まで我が起こっている状態です。
この場合は、弾力性の高いシーリング材でひびを埋めます。まずはシーリング材が十分充填されるよう、クラックを工具でV字にカットし、そこにプライマーを塗布してシーリング材を充填します。
サイディングボードの部分張替え
外壁やひび割れの状態によっては上記の補修ではなく、部分的なサイディングボードの張替えをすることもあります。
・サイディングのひび割れが広範囲に入っている場合‥‥
あちこちにひび割れが入っている場合には、補修だけでは間に合わない為、
・サイディングボードの全面張替え
・カバー工法
のどちらかのリフォームをしないといけません。
👉サイディング張替え・カバー工法について詳しくはコチラをどうぞ!
割れや浮きを予防するには
サイディングが割れや浮きを起こしてしまう原因は、水の吸収から起こるとご説明させて頂きました。
その為、水の吸収を抑えることが割れや浮きの予防につながります!
サイディング以外の一般的な建材と同じように、防水性を高めることでトラブルから回避できます。
①外壁塗装
塗装は紫外線や雨から家を守る為に行われています。
したがって、外壁塗装を行うことで防水性を保つことが出来ます。
外壁塗装のメンテナンスは10年に1度が理想的と言われていますが、外壁材や塗料、環境等によって外壁塗装の頻度は変わってきます。
外壁が色あせてきた、チョーキングが起こっているという場合は、外壁塗装が必要かもしれません。
👉外壁塗装について詳しくはコチラからどうぞ!
②シーリングの打ち替え
建物の防水性や気密性を保持するために継ぎ目や隙間に充填されているシーリング材。
基本的にはしっかり密着し、雨漏りを防ぐことにつながる「打ち替え」が良いとされています。
既存の上に新しいものを充填する「打ち増し」は、打ち替えよりも施工の手間がかからないので安価ですが、性能性が確保できるかは保証できないので注意が必要です。
劣化の目安は、隙間ができていたり、押えたとき弾力の無い状態で、使用環境によって変わりますが、10年程でメンテナンスを行うのが良いでしょう。
👉シーリングについて詳しくはコチラをどうぞ!
定期的なメンテナンスを行って、皆さんの大切なお家を長く、綺麗に保ちましょう!
広島県福山市・岡山県笠岡市で屋根・外壁塗装をご検討中の方は、
イマガワペイントへお気軽にご相談ください。
無料のお見積りはコチラからどうぞ!
実際の施工事例はコチラからご覧いただけます。